こんにちは。けやき在宅クリニック看護師の菊池です。
今日は、昨日の訪問で心がじんわり温かくなった出来事をお話ししたいと思います。
まさかの再会からはじまった、新しいご縁
昨日、新規の契約で初めてのご家庭を訪問しました。
玄関でお出迎えしてくださった奥様の顔を見た瞬間、「あれ…?」と記憶がよみがえりました。
なんと、4年前に訪問看護で担当していた方だったのです!
当時の奥様は寝たきりの状態で、日々ベッド上でのリハビリやリンパマッサージ、排便コントロールなどを一緒に頑張っていました。
少しずつできることが増えていく中で、最終的にはシャワー浴ができるまでに回復され、看護師のサポートを卒業された方でした。
杖を手に、しっかりと歩く姿に感動
あの頃、ベッド上で小さな動きを積み重ねていた奥様が、
昨日お会いした時には杖をつきながらもしっかり歩いておられたんです。
しかも以前より体重も増えていて、お顔もとても健康的で明るい表情をされていました。
その姿を見た瞬間、思わず「わぁ…!」と声が出てしまいました。
胸の奥がじんわりと熱くなって、嬉しさと驚きでいっぱいでした。
「先生や看護師さんたちに支えてもらって、今はこうして過ごせています」
と笑顔で話してくださった奥様。
その言葉に、当時の時間や努力がすべて報われたような気持ちになりました。
“卒業”しても続いていく、在宅ならではのつながり
今回訪問したのは、実はその奥様のご主人の訪問診療の契約でした。
つまり、これからはご主人のケアを通して、再びご夫婦と関わらせていただくことになります。
まさかこんな形でまた再会できるなんて…本当にご縁を感じます。
在宅の仕事をしていると、こうした“奇跡のようなつながり”に出会うことがあります。
病院勤務では、退院してしまえば患者さんのその後を知る機会はほとんどありません。
でも在宅では、「その後」も一緒に歩んでいけるんです。
それは、医療職としてはもちろん、一人の人間としても大きな喜びです。
看護師として、人として成長できる場所
この仕事をしていると、患者さんやご家族との関係が「支える」「支えられる」を超えて、
人生の一部を共有しているような感覚になることがあります。
昨日のように再会を通して、“あのときの時間が今につながっている”と実感できた瞬間、
改めて訪問の現場で働いていてよかったと心から思いました。
けやき在宅クリニックでは、私たち看護師がこうした出会いやつながりを大切にしながら、
患者さんとご家族に寄り添うケアを行っています。
医師・看護師・スタッフみんなが「チームとして関わる」姿勢を大事にしているので、
一人で抱え込まずに、みんなで支え合いながら働ける環境です。
新しい一歩を考えている方へ
もし今、病棟や施設で「この先の看護をどうしていこう」と考えている方がいたら、
在宅の世界も一度のぞいてみてほしいなと思います。
患者さんやご家族の“暮らし”に寄り添う中で、
思いがけない再会やつながりがあなたを待っているかもしれません。
そして、そこで感じる温かさや成長が、きっとあなたの看護をもっと豊かにしてくれます。
昨日の訪問で改めて感じたのは、
**「在宅は人と人とのつながりが、奇跡のように続いていく場所」**だということ。
そんな日々の中に、小さな感動や大きな喜びがたくさんあります。
これからも一つひとつの出会いを大切に、
患者さんと一緒に歩んでいきたいと思います。

